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沖縄の海が育んだ「モズク」を乾燥し全国へ。オキナワモズクファイバー生産者インタビュー(前編)



平成27年10月、沖縄の豊かな自然や伝統的な食文化によって育まれた 健康維持に役立つことが期待できる食材を世界中の食卓に届けるべく、「沖縄スーパーフード協会」が設立しました。

沖縄スーパーフード協会では、沖縄の素晴らしい気候や土壌でうまれる食材や、 沖縄独自の伝統的な製法により加工された食品の中から、 安全性や健康維持に役立つ成分を含むことが客観的なデータとして示されているものから厳選した食品を、 『沖縄スーパーフード』として認定しており、現在11の商品が認定されています。

平成28年1月、早稲田自然食品センター店長・寺島が沖縄を訪問。
認定商品のうちの一つ「オキナワモズクファイバー」の加工工場を取材し、
沖縄県漁業協同組合連合会の與那嶺 大輝(よなみね たいき)さんにお話を伺ってきました。



■ 乾燥モズクとは?




(寺島)※以下、「寺」
お店では、冷凍や冷蔵のモズクは扱ったことがあるのですが…。

(與那嶺さん)
ウチでは、乾燥モズクの加工がメインです。
稼働できるMAXでだいたい500トンの原料を加工することができ、
乾燥モズク専用の工場としてはおそらく日本一の規模になると思います。
今は平均で100トンちょっとの原料を年間で加工・乾燥しています。
もともと乾燥モズクを作ろうという動きは平成12、3年頃からありまして
そのときはモズクが豊作で。新たな(需要の)掘り起こしをしよう、ということで、この工場は平成16年に竣工・稼働しています。


(寺)
その時までは乾燥モズクというのは…

(與那嶺さん)
ほとんどなかったですね。歴史としては10年弱の新しい製品です。
それまでは塩蔵モズクがメインでした。


(寺)
乾燥するというメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

(與那嶺さん)
利便性として、軽くなるので、県外に発送する際に運賃の経費を抑えることができます。
賞味期限も一年あり、保存がきくので。
一般消費者向けの商品もありますが、乾燥モズクは8割ぐらいが業務用ですね。
埼玉や宮崎をはじめとした、県外の学校給食などへの出荷も多いです。
県内は逆に生食用が流通していますので…おみやげ用としてはここ数年伸びてきています。

 ベテランの手と目が欠かせない製造工程


(寺)
「オキナワモズクファイバー」は水戻ししたときの戻りがすごくいいですね。

(與那嶺さん)
食感ととろみには自信があります。
ウチでは、捕ってきたモズクをキレイに洗って、特に何も加えず無添加で乾燥しています。
原料の選び方も大事にしていますね。
モズクにも硬いものや柔らかいもの、色々あるので、乾燥に適したものを選んでいます。
収穫時期になったら産地に足を運んで、これは使える、使えない、というふうに。


(寺)
目利きが入っているんですね。

(與那嶺さん)
はい。各産地に協力をお願いして、乾燥に適したモズクを入れてもらえるように連携しています。


(寺)
モズクの収穫サイクルはどのようになっているのでしょうか。

(與那嶺さん)
一般的には、秋〜1月頃に種付けをして芽出し、本張り(菌床で芽が出たモズクの網を、別の場所に移し収穫期まで貼りこむ作業)をして4月〜6月頃が収穫期です。


(寺)
県内でも、産地によってモズクに違いはあるのでしょうか。

(與那嶺さん)
ありますね。産地によって硬さやヌメリなども変わってきます。
冷凍で運ばれてきたモズクを解凍してから乾燥させるのですが、パートさんもベテランの方が多いので、加工の段階で「ちょっとこの原料、柔らかいんじゃない?」などと教えてくれます。それで配合を調整して、一定の品質になるよう心がけています。

(乾燥後のモズク。この状態でウコン堂に運ばれ、粉砕される。)


(寺)
海のものですから、原料段階ではモズク以外のものも色々入っていそうですが。

(與那嶺さん)
ピンセットでモズク以外の混入物を取るようにしています。小さなエビや海中生物もそうですが、やっぱり小さな貝殻とか、テグスとかが混ざっていると大怪我につながってしまうので。


(製造工程の最終段階での混入物チェック。モズク以外の海藻も見分けてピンセットで取り除く、ベテランの技術力が求められる細かな作業だ。)


(寺)
乾燥した後にそういったチェックをされるんですか?

(與那嶺さん)
まず解凍してから、そして洗浄してから、混入物のチェックをします。
ウチでは三次選別になっています。X線を入れているところもありますが、テグスはX線に反応しないので。
ベテランの技術で以って作業をしています。
洗いすぎても食感が落ちてしまいますし、小さなエビなんかはモズクにくっついていて、流水では取れないので、最終的には目視でピンセットで…になりますね。混入物チェックについてはすごく神経を使っています。

(人の手によって取り除かれた混入物。)


(寺)
3回も人の手によってチェックされているとは驚きました。だからこそ、高品質を維持できるのですね。



(後編へ続く)



▼オキナワモズクファイバーの商品はこちら

【名 称】: もずく加工食品
【内容量】: 20g(10g×2袋)
【原材料】: オキナワモズク
【製造者】: 株式会社沖縄ウコン堂
【開封前賞味期間】: 12ヶ月