「食と健康と暮らし」に関する様々なテーマを、その分野の専門家を交えて考える店舗イベント「健康ファミリー教室」。
2019年3月2日(土)には、
「お手当て法」講座を開催しました。
知らなかった!風邪の引き始めサイン
突然ですが、
風邪の引き始めはどんな症状が出ると思いますか?
ゾクッとしたら?
身体がだるいなと感じたら?
くしゃみや鼻水が出てきたら?
「それはもう風邪を引いてしまった状態ですね」。
と話すのは、今回講師にお迎えした、
ムソー食品工業株式会社の坂元直人さん。
身体と食、こころのバランスを自分で整える「操体」の指導士でもあり、
全国で精力的に講演活動をされています。
実は、上記のような風邪の初期症状よりも
前に、身体にはある変化が現れるそう。
それは
「普段どおりの生活をしているのに、なんだかとっても食欲があるとき。またしっかり寝ているのに眠気が強く出ているときが、じつは風邪の引き始めサインなんです」。
えーっ!食欲があるのは元気な証拠じゃないんですか?!
「実は、これらの症状は自律神経の乱れから起こっています。身体の中に入ってきたウイルスや菌を外に排出しようとして、交感神経が活発に働くことで、交感神経と副交感神経のバランスが崩れる=自律神経が乱れた状態 になるんです」。
また異常食欲をそのままにしておくと、食べ過ぎたことで老廃物が多く発生。血液中に巡ることで、その老廃物を外に出そうと「発熱」し、本格的に風邪を引いてしまうのだそうです。
サインを知っていれば、風邪の初期症状が出るよりも前に対策を講じることができます。
その対策とは…。
「ずばり、プチ断食です」。
野生動物が病気にならないのは有名な話ですが、その理由は
「彼らは常に極限の空腹状態にあるからです」と坂元さんは話します。
食物の消化にエネルギーを使わないぶん、傷を治したり細菌やウイルスと共存共栄するほうにエネルギーをまわすことができるのだそう。
逆に言うと、おなかが常に満たされている私たちは、病気になりやすいということなんですね。
「プチ断食のおともには、梅醤番茶が最適です。湯呑に梅肉をすりつぶし、醤油と生姜を少々入れます。これに番茶を注げば出来上がり。梅醤番茶は胃腸の働きを活性させるだけではなく、血液の浄化や新陳代謝を促す働きがある、まさに万能ドリンクなんです」。
異常な食欲を感じたら、あえて食べずに我慢して半日〜1日過ごすことで、身体の中の自然治癒力を高めて風邪を外に追い出します。
とっても簡単な方法、ぜひ試してみたいですね。
運悪く風邪で熱が出てしまったら、
キャベツの外葉などを頭に敷く
「キャベツ湿布」がおすすめ。
延髄のあたりを一度温めてから冷やすと、そのあたりに溜まったウイルスや菌を追い出してくれるそうです。
熱を出すこと自体はウイルスや菌を排出しようとする良い反応なので、解熱剤などで抑え込んでしまうとかえって治りが悪くなってしまうのだとか。
高熱の場合は、水切りした木綿豆腐に小麦粉、すりおろし生姜を混ぜて団子くらいの硬さにした
「豆腐パスター」をガーゼなどにくるんで頭に当てましょう。
筆者も体験したことがありますが、38度くらいの熱の時に豆腐パスターを当てると、豆腐が熱をスーッと吸ってくれる感じがして本当に気持ちが良いです。市販の冷却シートの香りが強すぎて…という方にもおすすめ。
「お手当て法というのは、自分の身体は自分で守るということ。台所にあるもので、ご自身の、またご家族の健康を守ることができますので、ぜひ覚えて実践してみてくださいね」。
坂元さん、ありがとうございました!
おわりに
東城百合子著「家庭でできる自然療法(改訂版)」(昭和53年・あなたと健康社)は、平成27年現在でなんと
第1,000版という超超ロングセラー本で、お手当て法実践者のバイブルの一つです。もしお手当て法に興味をお持ちの方は、一度手にとってみてください。
昨今、西洋医学的なアプローチ以外の健康法や疾病対策については非常に声を上げにくい世の中になってきたなぁと感じます。SNSに投稿されている民間療法はたしかに玉石混交で、なかにはトンデモや悪意のあるものも含まれています。西洋医の皆さんが厳しく批判されることも致し方のないことかもしれません。
その一方で、すぐに病院にかかったり、薬を使う「前に」何かできることがあるのではないかと考え実践する自然派な人たちは、常に批判の目に晒され肩身の狭い思いをしていることも事実です。
西洋医学と民間療法、補完代替医療は、本来はお互いに補いあうもので、決して対立しお互いの欠点を非難しあうものではありません。
どうか、この記事を読んで「よし!お手当て法で治そう!高熱でも医者なんか行くもんか!」と、西洋医学に対して喧嘩腰にはならないでくださいね。
お互いの良いとこどりをするつもりで、「明日の朝まで病院に行けないから、今晩はお手当て法で様子をみよう」といったように、うまくご自身の生活の中に取り入れていただけると幸いです。
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