みなさん、今日も「腸育」していますか?
約3万種類、100兆-1000兆個が生息しているといわれている腸内細菌。
腸内細菌のバランス(腸内フローラ)が、内臓や肌だけではなく、アレルギーの発症や精神状態にまで影響があるのではないかといわれています。
良い腸内フローラを育てること=腸活 の重要性については多くのメディアが報じており、以前よりも意識するようになったという方も多いのではないでしょうか。
しかし!本当に良い腸内環境を目指すのであれば、気をつけなければいけない3つのポイントがあることをご存知ですか?
「オーガニックサラリーマン」として講演活動や栄養指導を行う、株式会社アビオスの村上雄大さんにお話を伺いました。
#本記事は、「食と健康と暮らし」に関する様々なテーマを、その分野の専門家を交えて考える店舗イベント「健康ファミリー教室」4月開催「老けない腸育・食事法」の内容を一部再編集したものです。
ポイント【1】カロリーは気にせず良質な油を摂る!
ポイント【2】食事中の水分には注意!
ポイント【3】酸性食品は摂りすぎない!
ポイント【1】カロリーは気にせず良質な油を摂る!
バターは敵!ノンオイルが最高!と思っている方、けっこう多いのではないでしょうか。
これは「カロリー(油)を摂りすぎるのはよくない」という
現代栄養学の考え方に基づいたものだ、と村上さんは言います。
「僕の父は糖尿病でしたが、食事を見直すことで体調が良くなりました。摂取カロリーは病気をする前の2倍になったのに、むしろ痩せて外見も若く見えるようになったんです」。
極端な話、オリーブオイルを1瓶食べても、パンや米などの炭水化物(糖質)と一緒でなければ太ることはない(#ただし痩せすぎの方は適正な体脂肪率になる)と、村上さんは言います。現代栄養学やカロリーにとらわれない食生活が、腸内環境を改善したというのです。
また、飽和脂肪酸が身体に良くない、という研究結果は多く報告されていますが、実はその飽和脂肪酸の「質」についてはあまり言及されていないそう。
「赤ちゃんを育む母乳には飽和脂肪酸、ラウリン酸、ホエーが多く含まれています。もしバターやココナッツオイルに代表されるような飽和脂肪酸が「毒」だとしたら、母乳は「身体に悪い」ということになってしまいます」。
工業製品的に作られた油ではなく、グラスフェッドバター(牧草のみで育った牛の乳から作られたバター)や、酸化していないココナッツオイルを使っていたら、どのような研究結果が出るのか、気になりますね。
「(カロリーや脂肪酸の種類は気にせず)酸化していない(加熱していない)良質な油をしっかりと摂ることが、腸内環境を整えるカギの一つです。前述のグラスフェッドバターやココナッツオイルのほか、オリーブオイルやごま油、アボカドオイルもおすすめです。青魚ももちろんいいですね。秋川牧園など信頼のおける生産者の肉であれば、ラードや鶏皮もよいでしょう」。
村上さん曰く「サラダにノンオイルドレッシングやマヨネーズをかけるのが一番ダメ!」とのこと。野菜に含まれるビタミンやミネラルは、良質な油と一緒に摂ることで効率よく吸収できます。
ポイント【2】食事中の水分には注意!
2つめのポイントは食事中の水分量。
健康やダイエット目的で、食事中に水分を多く摂る方がいますが、これは腸内環境を整えるという面ではあまりおすすめできません。
「水分を多く摂ることで胃酸が薄まり、食べ物をうまく消化できなくなります。うまく消化できないまま腸に運ばれた食べ物が腐敗することで、腸内環境の悪化につながってしまうんです」。
晩酌好きな方もドキリとしますね。
ポイント【3】酸性食品は摂りすぎない!
肉、魚、卵、炭水化物などの食品は酸性食品。緑の濃い葉野菜などはアルカリ性食品です。
pHを決めているのは、液体中に含まれるイオンの量。
イオンというのは物質を構成する原子や分子がプラスの電気を帯びたり、マイナスの電気を帯びた状態になったもののことです。
物質がイオンの状態になると、+とーが引き合うので、化学反応しやすいです。
マイナスのイオンが多ければアルカリ性に、プラスのイオンが多ければ酸性になります。
酸性イオンがたくさん出る食品を「酸性食品」、アルカリイオンがたくさんできる食品を「アルカリ性食品」と呼んでいます。
「体内に酸性食品が多く入ってくると、骨からカルシウムを溶かし出して血液を弱アルカリ性に戻そうとしてしまうんです。過度な糖質制限で肉ばかりを食べる方がいますが、立派な筋肉の中で骨はスカスカ、なんてことも…」。
発酵食品は腸に良いとされていますが、ヨーグルトや、糖を原料とした発酵食品は酸性食品です。腸内環境を整えようとヨーグルトをたくさん食べても、身体全体でみれば(骨に負担がかかるので)マイナスになるかも。
何事も、偏った食べ方は良くないということですね。
良い食品をバランスよく、が良い腸内環境をつくる
村上さんの人生を変えたといっても過言ではない、アンチエイジングのスペシャリスト、オーガスト・ハーゲスハイマー氏(栄養科学博士)は、ベビーリーフなど栄養価の高い生野菜と良質な非加熱の油、信頼のおける生産者のもとで作られた肉や卵が、腸内環境を整えるのに理想的な食事だと提唱しています。(それに加えて、握りこぶしひとつ分までの炭水化物を摂るのはOK)
村上さんはその昔、「食生活に気をつけて毎日快便だったけれど、肌トラブルに悩まされていた」そうです。20代のときに氏の理論と出会い、それまでの食事法をガラリと変えたことで体質改善に成功したのだそう。快便=良い腸内環境というわけではないところが以外ですね。
「腸内環境にばかり注目するのではなく、身体全体のことを考えて食生活を見直してほしい」と村上さんは言います。
3つのポイントは今日からでも試せるものばかり。
腸内環境や体質改善に興味のある方はぜひ実践してみてはいかがでしょうか。