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本物の美味しさとの出会い、伝えたい


4月某日、本物の鰹節と出会いがありました。
有限会社タイコウ稲葉社長を講師に、神田神保町の「おむすび茶屋」様主催で開かれた「出汁取り教室」にスタッフ4名で参加したことがきっかけです。

編集会議では季節的に秋号のほうが・・との意見も出ましたが、店長寺島が本物の味をすぐにでも伝えたい一心で、今回のこの時期の特集となりました。

「素材を超える加工、料理方法はない」との稲葉社長の言葉が印象的でした。鮮魚用一本釣り鰹節を手作業で手間暇をかけ本枯節に仕上げる。その削りたてで出汁を取る。一般品のそれと味比べ、段違いのその美味しさの感動は忘れません。巻き網漁の鰹は死に際に苦しみ、乳酸を発生するため、本来の美味しい澄んだ旨みの出汁がとれません。

その体験以来、子供のころに削った、いや削らされた(笑)…鉋を探し出し、刃を直し、本枯節を削るのが今では日課となっています。

これからの季節、蕎麦やそうめんに欠かせない、その辺の蕎麦屋に負けない本物麺つゆ作りがマイブームですので、少々ご紹介をさせてください。

「かえし」
1,味の母(P2掲載)を100〜200ccを火にかけアルコールを飛ばす。
2,本醸造の醤油500ccを加え、お好みで黒糖や粗糖を30g〜80g加え煮詰める。
3,一週間程、冷暗所でねかせる(ねかせが重要)。保存も出来ますので、作り置きが便利。

「出汁」
1Lの水に利尻昆布(P2掲載)10g加え数時間置いた後、火入れし沸騰前に引き上げ、本枯節(P1掲載)の削りたてを30g加え、数分煮詰めます(普段の出汁なら10g弱で十分です)。(花かつおでは煮詰めると、生臭さが出てしまいます。一般品は煮れば煮るほど酸味、雑味が出てきます。)
昆布と鰹の濃い出汁がとれたら、かえし1を出汁3〜4で割ってください。甘汁はお好みで6〜8の出汁で割ります。

麺つゆの素では味わえない、蕎麦屋並みの美味しい麺つゆが出来ます。ご家族の美味しい笑顔と感動、間違いなしです。
忙しい時は出汁の素やつゆの素は重宝しますが、次世代の子供たちに、手間暇かかった本物の美味しさを残していきたい気持ちでの特集です。

今源の危機が訪号の製作途中で、一本釣鰹が手に入らない、水揚げがあっても大河ドラマ「龍馬伝」の影響もあり、鮮魚用に引合いが強く、価格が下がらず鰹節用に一本釣がまわってこない、とのお話を伺いました。タイコウの本枯節、花かつおは現在、すべて一本釣鰹を使用していますが、殆ど買付できない状況が続いているそうです。一本釣鰹節がなくなると、本物の鰹節が手に入らなくなります。

安い早い簡単が主流になればなるほど巻き網漁に根こそぎ獲られ、本物は絶滅していってしまいます。どうか皆様、本物を残すべく応援の程、よろしくお願い申し上げます。