NPO法人 日本綜合医学会の 第一回東京講演会が
7月26日(日)にアルカディア市ヶ谷にて開催され、
当店も物販ブースを出展いたしました。
お買い上げいただいた皆さま、ありがとうございました。 |
NPO法人 日本綜合医学会は、明治の食医・石塚左玄が創始した
「食養」の思想を継承するため、1954年に東京大学名誉教授・二木謙三博士
(文化勲章受章者)を初代会長として設立された団体です。
7月の開催は初めてとなる講演会。
「教育と食養が日本を救う」をテーマに
医学界の最前線で活躍されている先生方による各講演は
どれも聞き応えたっぷりのものでした。
本記事では、産婦人科医として妊婦さんや患者さんに
食指導を実践してきた、中山尚夫先生の講演の一部をご紹介します。
輝く生命と、医師が薦める「食」とは
中山尚夫先生 |
「私の産婦人科医としての50年間は、すべて「食事」の歴史でした」。
と言う中山先生が医師になったのは、昭和40年。
当時の三重県は公害が酷く、空気の悪さから、アトピーなどの
体調不良を訴える子供たちが多かったそうです。
公害問題といえば、四日市ぜんそくが有名ですが、その影で
問題にすることができなかった問題がありました。
それは、奇形児。とくに「無脳児」が多く生まれたと中山先生は語ります。
「歴史上であれほど多くの奇形児が出た時代というのは
なかったですね。僕は医者になってすぐそういう地域に行ったものですから
当然、奇形児というのはこれぐらいの確率で生まれるものなんやなぁと思っていた。
それにしても多いなぁとは思っていましたけど」。
しかし、奇形児の出生については、四日市ぜんそくのように
問題提起をすることができませんでした。
「奇形児の家系だ」と言われ、子供の結婚や将来に
影響が出るのを恐れたお母さんたちは、泣く泣く子供を葬っていったそうです。
ところが、この問題は公害だけではなく、もう一つの時代背景があった
と、中山先生は主張します。
「当時は、公害の全盛期でもあり、同時に、牛乳の全盛期でもありました。
妊婦さんに1日1リットルでも2リットルでも、飲ましなさいと。
そう教えられて、みんなが牛乳を飲んでいた。そういう、“異常”な時代でした」。
国が指導する食事と、身体を治すための食事は違う
公害の無い地域からも、当時中山先生が勤めていた病院に運ばれる母子もいました。彼らの共通項として、「牛乳を大量に飲んでいた」ことに気付いた中山先生は
奇形や死産が怖くて2人目の子供を産めないというお母さんに対し
「 心配せんで大丈夫。絶対、次の子は生まれる。」と、食の指導を始めました。
「牛乳は必ず、全廃しなさい。乳製品は一切摂ってはならない。そして玄米を食べなさい。基本の和食を食べなさい。果物は摂り過ぎない。果物は、日本人は本来は摂らなければならないもの、ではない。あれは、ハレの食べ物ですからね」。
4年後、移動した桑名市の市民病院では、無脳児や奇形児が
まったくいなかったそうです。この「差」を目の当たりにした中山先生は、
アトピーの患者さんや、自身の病気を治すために、食の研究をさらに進めます。
先生自身、40年間、乳製品や牛肉を一切摂っていないそうです。
また先生のお子さんも同様の食生活をさせ、妊婦さんにも熱心に指導されており
その結果、先生の担当された妊婦さん(もちろん先生のお子さんも含め)
無脳児や奇形児、アトピーといった症状は一切出現していないそうです。
「腸というのは、腸内細菌が自分で勝手に判断して、ダメなものは追い出してしまいます。
お腹は、ごまかせないんですね。腸は、脳と独立して機能する。人間は腸で考える。
食事の判断は腸がする。心は、腸が育てる。
どういうことかと申しますと、うつ病だとか精神疾患は、腸内細菌が影響して起こるということがわかってきています。病気は、薬を飲んで治すものではないんですね。
食事から直さなければいけない」。
昭和14年生まれの中山先生は、自身を「戦争を知る最後の世代」と言います。
戦後、身体の小さい日本人は牛乳を「売り込まれ」、現代においても
学校給食にパンと牛乳は“当たり前”のものになっています。
ビタミンCは果物から、カルシウムは牛乳から、というような
ある種の“固定概念”が定着してしまった現代。
「国が言うのだから」と、学校給食の牛乳ひとつをとっても
医師の診断書がないと(子供に飲ませることを)止めさせられない現状を、中山先生は
「太平洋戦争はまだ終わっていません、占領軍がいるあの時のままだ。」と表現します。
私たち一人ひとりが知識を深め、「何を食べるべきか(食べないべきか)」をしっかりと
取捨選択していくことが、やがて大きなムーブメントを作ることができる、と
中山先生は観客に訴えました。
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「牛乳」の賛否については、メディアでもよく取り上げられます。
直近では松嶋尚美さんの、テレビ番組出演時の発言が話題になりました。
本記事は、すべての牛乳・乳製品を批判する目的で作成したものではありません。