脂肪のつきにくい加工オイルの代表格が体内で発ガン物質に変化するジアシルグリセロールを高濃度で含むとの事から、年間200億も売上げがあるエコナシリーズを花王が販売自粛するとの話題が連日テレビを賑して・・・いや、賑わせられない・・。
大手メディアもどう取り上げるべきか?影響も大きいだけに難しいのでしょう。花王は販売自粛の理由を、「体内で発ガン物質に変化するジアシルグリセロールを高濃度で含んでいる」と説明していました。このことは数年前から一部では問題にされていましたが、世間ではほとんど話題に上ることはありませんでした。
業界団体の(社)日本植物油協会では、このオイルは「自然界に見られないほどの高濃度のジアシルグリセロールを主体とする製品であり、普通の植物油と異なる物質です」と植物油ではないときっぱり言い切っています。
それに加え、今後もさらに注目を集めていくといわれているのが「トランス脂肪酸」の問題です。
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させ冠動脈心疾患のリスクを高めるというもので、化学溶剤抽出油や漂白・脱臭等の精製度の高い加工油脂・ショートニング・マーガリンに高濃度で含まれます。先の加工オイルにも多く含まれていることは、以前から指摘されていました。
トランス脂肪酸は2006年1月よりアメリカ国内で食品に表示義務化され、世界各国も表示義務や含有率の制度化を始めています。一方、日本の厚生労働省の見解では、日本人は米国人に比べ、トランス脂肪酸の1日あたり平均摂取量が約4分の1と低いことから、現在のところ静観しています。しかし、若年層では欧米型食生活が幅をきかせており、昨今のスイーツブームからも年代別の統計をとれば米国人と何ら変わりないとも危惧されています。
報道後、弊店にも問合わせが多くありますが、弊店で取り扱う植物油は全て圧搾法で抽出している精製度の低い、昔ながらの製法の商品だけです。また、マーガリンも各国基準を大幅に下回る商品を厳選して取り扱っておりますので、どうぞご安心ください。
今後、おそらく日本でも、トランス脂肪酸の基準が明確化される流れが出てくるでしょう。その時に慌てないよう、今のうちから油脂類の摂取に気を遣い、今一度普段使う油を見直しすることをお勧めいたします。