News Trending

ようやく動いたトランス脂肪酸規制


前号で「エコナ」や「トランス脂肪酸」について書きましたら、問い合わせが多く、お客様の関心が非常に高いことがわかりました。そのようなお話を毎日のようにお客様としていると、11月24日に「福島瑞穂消費者担当相は閣議後会見で、トランス脂肪酸について、商品への含有量表示を義務づけるよう検討を消費者庁に指示した」というニュースが報道されました。これを機に大手油脂メーカーは対策を迫られることになりますが、まだまだ時間はかかることでしょう。

心疾患のリスクを高めるトランス脂肪酸は肉類等にもわずかに含まれますが、その多くは水素添加した常温で固体のショートニングやマーガリンに多く含まれます(トランス脂肪酸フリーの商品もあります)。ここ20年のショートニングの生産量は17万tから21万tと約20%増加しています。マーガリンは26万tから24万tと約8%減少しています。マーガリンの減少は家庭用と給食用が減少の原因ですので、少子化、小家族化が背景なのでしょう。ちなみに同期間の米収穫量は1034万tから847万tと約18%も減少していることから、米離れが進み、加工食品の消費量が増加し続けていることがわかります。

トランス脂肪酸はアトピーの原因にもなるといわれています。上記の統計からの勝手な推測ですが、ショートニングの生産量増加は、それを使った加工食品の増加に直結し、子供たちの大好きなパン類や菓子類、ケーキ、ドーナツ、揚げ物などに形を変えて体内に入ってきます。ショートニングをはじめとした「トランス脂肪酸」の摂取量増加とアトピー性皮膚炎の子供達が増え続けていることと関連性があるように思えてなりません。また若年性の突然死の増加も不気味です。

業界大手メーカーや外食大手、コンビニ等でも、徐々にトランス脂肪酸を減らすことを宣言しているようですが、さらなる早い対応を期待したいところです。