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良い絆と悪い絆


今年の世相を表す漢字が「絆」になりました。
未曾有の大震災で家族、友人や仲間、地域、そして多くの方々の支援、そのどれもがつながるという良い意味で「絆」が選ばれたようです。

絆の語源をみれば、上記のように決してポジティブな意味ではないようです。
動物を繋ぎ止めておく綱という意味があり、離れられない結びつきという関係から、断つことの出来ない人と人の関係を表す言葉として使われるようになったようです。

絆をネガティブな意味でとらえると「しがらみ」ともいえると思います。

有機農業の先駆者の方々は地域の農業関係の絆(しがらみ)を、無薬剤の木製食器を作ったTOMATO畑の創業者は地域の食器組合の絆(しがらみ)を断ち切り、家族の絆を守る為に安全な木製食器を作ることを選びました。

今までのやり方を大きく変えようとする時にはそれまでの良い意味での絆が、悪い意味での絆(しがらみ)となり、足枷になるのは良く聞く話です。

震災以降、原発事故の対応や報道を振り返れば、「大丈夫です」「直ちに危険はない」「安全性を高めれば再稼働も問題ない」という論調がはられています。時が経つにつれ、エネルギー政策も含め、それはおかしいと訴える国民はじめ民間団体や学識経験者から様々な情報が発信され、後々政府が認めざるを得ないという状況が繰り返されていることも、国内のみならず関係諸国との悪い意味での強い絆(しがらみ)を断ち切れないからなのでしょう。

さらにTPPの推進にいたっては、ある大臣は農業を「平均年齢70歳以上の産業を保護する必要があるのか」と発言したということも漏れ伝わってきたことは残念でなりません。
その報道の陰に隠れるかのように、とうとう遺伝子組換えパパイヤが輸入解禁されてしまいました。

日本の食文化の原点である農業を守らず、子供達を守ろうとしない、得体のしれない悪い絆だけは一刻も早く断ち切ってほしいものです。